HEADs AI
02
引き継げる形にする方法

誰が休んでも、
その日の仕事が止まらない。

この方法で、こうなります代わりに入った人が「今日は何を」と聞けば、答えが返ってくる当てはまるかどうかと、介護施設に置き換えた例は、このあとに続きます。

その人が休んだ日に、はじめて分かります。何をどの順でやっていたのか、どこまで進んでいたのか、誰と話がついていたのか。
日々の業務は、やっている本人の中にしかありません。しかも本人には当たり前すぎて、あらためて聞いても出てきません。
だから、聞くのをAIにやらせます。すでにある日報や申し送りを読ませ、足りないところは質問させる。答えるのは、声で構いません。

ここに書かれているのは、ひとつの例です。置き場所も、担当の決め方も、会社によって変わります。

① 実際、どう使うのか
  1. 用意するものいま書いている日報と申し送り。それだけです。
    新しい様式は作りません。書く場所を、紙やPCからスマホに話す形へ移すだけです。
  2. AIと一緒にやること作業が終わるたびに、スマホへ一言。「◯◯の対応終わり、××で少し手間取った」——この程度で構いません。
    1日の終わりに、AIが今日の分をまとめて出し、足りないところを質問してきます。
    ・今日はどんな作業をしましたか
    ・どれくらい時間がかかりましたか
    ・困ったことはありましたか
    ・明日の予定や引き継ぎはありますか
    答えるのは声で。ここまでで、その日の日報が完成します。
  3. たまる場所AIが2つに分けてしまっておきます。
    ・起きたこと(今日こうだった、ここで困った)
    ・次に使えるやり方(だから次はこうする)
    共有フォルダか社内Wikiに1か所。日が経つほど厚くなります。
  4. 使うとき・直すとき代わりに入る人が「今日、何をすればいいか」と聞けば、その人の進め方、いま止まっている案件、連絡が要る相手が出てきます。
    やり方が変わったら、その場で一言。これも声で足せます。

迷ったら、入れておきます。「残す価値があるか」を考え始めると、その手間で止まります。ちょっと困ったこと、雑談で出た話——選ばずに入れて、選ぶのは出すときです。線は1本だけ、本人が読んでも困らないか。それだけ守れば、あとは考えずに済みます。
そのかわり「代わりに入った人は何を知りたいか」を先に決めておきます。ここが決まっていないと、溜まる一方で探せません。
サービスを使うなら、その様式に合わせて入れることになります。あとで自社でも使いたいなら、取り出せる形かどうかを先に確かめます。

② どう進めるか
  1. 日報を、話して出す形に変える様式はいまのまま。書く場所だけをスマホに移します。現場から帰って1時間かけていた日報が、5分になった例があります。
  2. どう聞かれるかを、先に決めるあとで役に立つかどうかは、入れるときに決まります。「代わりに入った人は何を知りたいか」を先に書き出して、その答えが埋まるように入れていきます。
    ただ並べただけだと、後から探せません。
  3. 作業が終わるたびに、一言だけ残す「終わった、ここで手間取った」——それだけ。
    まとめて思い出すより、その場のほうが正確で、忘れません。
  4. 1日の終わりに、AIの質問に答える作業/時間/困ったこと/明日の引き継ぎ——AIが順に聞いてきます。答えるのは声で。
    白紙に向かう時間が、ここでなくなります。
  5. 起きたことと、次のやり方に分けてためる起きたことと、次に使える形。この仕分けもAI側です。分けておかないと、後から探せません。
  6. 聞いて、1日やってみる別の人が「今日、何をすればいいか」と聞いて、それだけで1日動きます。
    詰まった場所が、そのまま足りない項目です。
③ できあがるもの
  • 話すだけで出る日報(様式はいまのまま)
  • 起きたこと(今日こうだった、ここで困った)の積み重ね
  • 次に使えるやり方(だから次はこうする)の積み重ね
  • 「今日、何をすればいいか」で引ける入り口
  • いま進行中の案件と、止まっている場所
  • 代わりに入る人向けの、1日の流れ
④ こんな会社に向いています
  • 担当者が休むと、その仕事が止まる
  • 何をやっているのか、上司も正確には知らない
  • 引き継ぎのたびに、口頭で何時間もかかる
  • 退職・異動の話が出るたび、慌てて聞き取りをしている
  • 辞めた前任者に、いまも電話して聞いている
⑤ 同じことは、業種を越えて起きています
業種同じ構造で起きていること
ホテル・旅館常連客の経緯や好みが、担当者しか知らない
保育・幼稚園子どもごとの配慮が、担任の頭の中にしかない
設備の保守・修理顧客ごとの設備の履歴と癖が、担当者の記憶にある

たとえば、介護施設の場合——「◯◯さんのことは、あの職員に聞かないと分からない」——その聞く相手が休んだ日に、止まります。

⑥ たとえば、介護施設の場合(サンプル)
田中様、朝食後に軽くむせ込みあり。とろみ普段より少し強めで様子見。左片麻痺で移乗は右側から介助、焦らせると突っ張るので声かけしてから。夜間トイレ2回、フラつきあり見守り必須。
⑦ サンプル / 日々のメモが、代われる形になる
その日の申し送りメモ代わりに入る人が見る形
田中様、朝食後に軽くむせ込みあり。とろみ普段より少し強めで様子見田中様/食事:3日前からとろみを中〜濃に上げて様子見中。むせが2回以上あれば看護師へ
左片麻痺で移乗は右側から介助、焦らせると突っ張る田中様/移乗:健側の右から。声かけ→動作予告の順。急かすと硬直するので待つ
夜間トイレ2回、フラつきあり見守り必須田中様/夜間:トイレ誘導2回、付き添い必須。センサーマット使用中

左は、その日たまたま書かれた一行です。これが積み重なると、右のように整理されます。書き足す手間は増えません。

⑧ サンプル / 代わりに入る人が、朝いちばんに見るもの
  • 今日みる方それぞれの、直近3日で変わったこと
  • いま「様子見」になっている項目(食事・移乗・排泄)
  • 夜勤からの申し送りで、変更があった点
  • 今日、家族へ連絡が要る件
  • 判断に迷ったときに聞く相手
KEY POINT

作業が終わるたびに、スマホに一言。1日の終わりに、AIの質問に答える。これだけで、その日の日報ができます。後から思い出して書くと、いちばん大事な「困ったこと」が抜けます。その場で話すから、忘れません。
もうひとつ大事なのは、あとで役に立つ形で入れておくことです。代わりに入った人が何を知りたいかを先に考えて、その答えになる中身を入れておく。そうすれば、聞いたときに出てきます。

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