HEADs AI
03
基準をそろえる方法

「なぜこの評価なのか」を、
本人に説明できる。

この方法で、こうなります評価する人が変わっても基準がぶれず、本人に根拠を示せる当てはまるかどうかと、小売・多店舗に置き換えた例は、このあとに続きます。

「なぜこの評価なのか」を、本人に説明できますか。説明できない評価は納得されません。納得されない評価は、辞める理由になります。
基準がぶれるのは、評価するときになってから思い出して書いているからです。日頃の記録が残っていなければ、その場の印象で決まります。
記録を読んで、項目ごとに事実を並べるところまではAIがやります。点をつけるのは人です。

ここに書かれているのは、ひとつの例です。置き場所も、担当の決め方も、会社によって変わります。

① 実際、どう使うのか
  1. 用意するもの上長が普段つけている面談の記録、日報、日々の行動メモ。形は問いません——手書きのメモでも、録音でも、チャットの書き込みでも。
    何を集めるかは、評価制度で何を見ると決めたかによって変わります。評価のために書き直す必要はありません。
  2. AIと一緒にやることまず「どんな働きを評価したいのか」を伺い、評価項目と段階の説明を下書きします。
    そのうえで、渡された記録を、項目ごとに整理して並べます。「協調性」という項目なら、それに当たる記述を全部拾って——いつ、何が書かれていたか、何件あったか。
    ここで出るのは事実だけです。点をつけるのは評価者です。
  3. たまる場所評価シートと、日頃の記録を同じ場所に置きます。いま使っている共有フォルダで十分です。
    評価項目・段階の説明・日々の記録が1か所に揃うので、誰が、何を根拠に、どう評価したのかが残ります。
  4. 使うとき・直すとき評価の時期に、評価者どうしの突き合わせで使います。「同じ行動なのに点が違う」を、記録を見ながら確かめられます。
    本人への説明にも、そのまま使えます。項目は期ごとに見直します。

AIがやるのは、整理して並べるところまでです。点をつけるのも、何を評価とするかを決めるのも、人です。

② どう進めるか
  1. 何を評価するかと、何を残すかを決めるここは経営の判断です。AIは選択肢を並べるだけで、選びません。
    ここで決めたことが、「いつ何を残すか」を決めます。日々の行動で見るなら日々の記録が、期の成果で見るなら別のものが要ります。先に決めないと、集める材料がずれます。
  2. どんな行動があればその段階か、例を添える「協調性がある」だけでは、人によって読み方が変わります。例を1つ2つ添えておきます。
    ただし、例を書いただけではそろいません。そろうのは、このあとの「事実を並べる」と「突き合わせる」です。
  3. 普段の記録を、そのまま渡す面談の記録、日報、行動メモ。評価のために書き直しません。日頃の記録が残っているかどうかで、あとの精度が決まります。
  4. AIが、項目ごとに事実を並べる「協調性」という項目なら、それに当たる記述を全部拾います。いつ、何が書かれていたか、何件あったか。
    ここで出るのは事実だけです。点はつきません。
  5. 評価者が、並んだ事実を見て点をつける思い出して書くのではなく、目の前に並んだ事実を見て判断します。
    取りこぼしがなくなり、その日の印象だけで決まらなくなります。
  6. 評価者どうしで、突き合わせる同じような事実に、違う点がついていないか。根拠が並んでいるので、その場で比べられます。
    ここがいちばん大きく変わります。基準表をいくら細かくしても、この場が無いとそろいません。
  7. 本人に説明して、次の目標を決める「なぜこの評価なのか」を、実際にあった出来事で説明します。次に何を伸ばすかまで、その場で決めます。
③ できあがるもの / 人事評価の仕組み一式
  • 評価項目の一覧(数字で見えるもの/数字に出ない貢献)
  • それぞれの項目を、具体的な行動で言い表したもの
  • 評価の段階と、それぞれの状態の説明
  • 評価者どうしで突き合わせる会議の進め方
  • 面談で聞くことと、記録の残し方
  • 本人への伝え方(何を評価したかを説明できる形)
  • 評価から次の育成につなげる手順
④ こんな会社に向いています
  • 評価する人によって、基準が変わってしまう
  • 数字に出ない貢献が、評価に反映されない
  • 「何を頑張れば上がるのか」を本人に説明できない
  • 評価の時期になってから、慌てて思い出して書いている
  • 評価が、次の育成につながっていない
⑤ 同じことは、業種を越えて起きています
業種同じ構造で起きていること
多店舗の飲食業店長の主観で評価が決まり、店舗間で納得感に差が出る
営業所を持つ卸・商社所長ごとに評価軸が違い、異動のたびに基準が変わる
支店のある建設・工事業現場ごとの貢献が、本社から見えていない

たとえば、小売・多店舗の場合——評価が店長の印象で決まり、店舗をまたぐと基準がずれる。数字に出る客単価は拾えても、新人フォローや他店応援は評価から漏れます。よく働くパートほど「見てもらえない」と離れていきます。

⑥ たとえば、小売・多店舗の場合(サンプル)
田中さん(パート・3年目)。レジは正確で早い。今月、新人の山本さんに品出しの段取りを自分から教えてくれていた。接客は丁寧だがセット率は低め、ついで買いの一声が出ていない。他店応援にも快く入ってくれた。
⑦ サンプル / メモから、事実を拾い出す
店長が書いたメモAIが並べるもの
新人の山本さんに品出しを教えていた「新人フォロー」に当たる記述として拾い出し。同じ趣旨の記述は10月に2件
セット率が低め、ついで買いの一声が出ない「販売」の項目に、実績の数字と並べて置く。前回の面談でも同じ指摘あり
他店応援に快く入ってくれた「店舗間の協力」に当たる記述。日付と、そのときの状況をそのまま残す
店長の印象で書かれた部分事実の記述と、感想の部分を分ける。項目に並べるのは事実のほうだけ

並ぶのは、店長が書いた事実です。どれをどう評価するかは、これを見た評価者が決めます。

⑧ サンプル / 月次面談の質問リスト
  • 最近、仕事で困っていることや、やりにくいことはない?
  • 先月フォローしてくれた新人対応、すごく助かった。あれはどんな工夫をしてた?
  • レジの正確さは店でも指折り。その強みに『ついで買いの一声』を足すとしたら、どんな声かけが自然にできそう?
  • 次の1か月で『これを伸ばせたら時給に反映したい』という点を一緒に決めたい。どこを狙いたい?
  • 他の店舗に応援に入って気づいた、うちの店で真似したいことはあった?
KEY POINT

ぶれを消すのは、制度ではなく運用です。日頃の行動が記録されていること、評価者どうしで突き合わせる場があること——この2つがあると、誰が評価しても同じところに落ち着きます。AIは記録を項目ごとに並べ、数字に出ない貢献を拾い、説明の言葉を用意します。何を評価とするか、決めるのは人です。

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