HEADs AI
07
ブランディングの進め方

「安いから」ではなく、
「あの会社だから」で選ばれる。

この方法で、こうなります金額のほかに、選ばれる理由を示せるようになる当てはまるかどうかと、建設会社(栃杜建設)に置き換えた例は、このあとに続きます。

価格のほかに、選ばれる理由がありますか。それが相手に伝わっていなければ、比べられるのは金額だけになります。
選ばれる理由は、たいていもう社内にあります。長く守ってきた決めごと、断らずに引き受けてきたこと、社長がずっと言っていること。ただ、それが言葉になっていないので、外にも中にも伝わっていない。
掘り起こして、言葉にして、形にして、社内に行き渡らせる。手間がかかるので大きな会社のものでしたが、いまは、この工程をAIが引き受けられます。

ここに書かれているのは、ひとつの例です。置き場所も、担当の決め方も、会社によって変わります。

① ブランディングとは、何をすることか

言い換えるとかえって分からなくなるので、そのまま説明します。

ブランドBRAND
相手の頭の中にできあがっているイメージのこと。「あの会社は◯◯だ」と思われていること、そのものです。
ロゴや社名のことではありません。自分たちが決められるものでもありません。こちらが何をしようと、相手の中に勝手にできあがります。
ブランディングBRANDING
社内にあるものを掘り起こして言葉にし、それを形にして、あらゆる接点に行き渡らせる活動のことです。
コピー、ロゴ、配色、書体、パンフレット、ウェブサイト、話し方まで。どこを見ても同じ会社に見える——その状態を作ります。
ブランドブックBRAND BOOK
社員が自分の言葉で会社を語れるようにするための冊子です。
外向けに作ったものをそのまま社内に配っても、行動は変わりません。社内向けには、判断に迷ったときの拠りどころとして作ります。

ブランドは結果、ブランディングはそこに至る活動です。ロゴを変えるだけでは、相手の頭の中は変わりません。かといって、形にしないのも同じです。言葉にしたものを、見えるところすべてに行き渡らせる。そして、いちばん先に行き渡らせる相手は社員です。

② 実際、どう使うのか
  1. 用意するものいまのホームページとSNS。それと、社訓や理念、これまで守ってきた決めごと、会社案内やパンフレット。
    古くても構いません。そこに書いてあることが材料になります。
  2. AIと一緒にやることまず、社内にあるものを聞き出します。社訓、これまでやってきたこと、社長の話、現場の話。
    そこから「これで通す」という言葉の候補を並べます。選ぶのは経営です。
    決まったら、いま出しているものを読ませて「どう読めるか」を言わせ、ずれを見ます。同業他社が何と書いているかも集めさせます。
    そのうえで、コピー・ロゴ・配色の下書きと、社内向けの冊子の下書きまで作ります。
  3. たまる場所いま使っている共有フォルダに1か所。写真と一言メモ、決めた見せ方のルール、作った文章をまとめて置きます。
    一度決めたルールは次から使い回せるので、毎回ゼロから考えることがなくなります。
  4. 使うとき・直すときできあがったあとは、自分たちで更新します。週に一度まとめて作り、予約投稿で自動的に出します。
    月に一度、数字を見て直すところを決めます。

聞き出すのも、並べるのも、読み直すのも、下書きを作るのもAI側です。ただし世間からどう見られているかは、AIには分かりません。そこは、普段のお客様満足の確認で出てくる声を使います。
どれで通すかを決めるのは、経営です。

③ どう進めるか
  1. 会社全体から始める商品や採用から手をつけたくなりますが、順番が逆です。会社そのものが何者かが決まっていないと、その上に乗せるものは全部ぼやけます。
    「いい商品です」「いい職場です」と言っても、どういう会社が言っているのかが分からなければ、そこで終わります。
    人手不足で採用を急ぎたい場合も、会社が決まってからのほうが、結局は早く着きます。中小企業では、社長個人の発信が、そのまま会社の信頼につながります。
  2. 社内にすでにあるものを、掘り起こす社訓、これまで守ってきた決めごと、社長がずっと言っていること、現場が当たり前にやっていること。
    新しく作るのではありません。すでにやってきたことをAIが聞き出して、書き出します。
  3. どう見られたいかを、一つの言葉に決める掘り起こしたものから、これで通すという一つを選びます。
    AIが候補を並べます。どれにするかを決めるのは、経営です。ここが決まらないと、この先すべてがぶれます。
  4. いま出しているものとの、ずれを見る決めた言葉を持って、サイトや会社案内を読み直します。AIに読ませて「これはどう読めるか」を言わせます。そのまま打てますこの文章だけを読んで、答えてください。(自社のサイト・会社案内を貼る)

    ・これは何をしている会社に読めますか
    ・どんな仕事を頼めそうに読めますか
    ・どんな会社だと読めますか

    知っていることは使わず、書かれていることだけで答えてください。
    できるのは、出しているものの点検です。世間が御社をどう思っているかは、AIには分かりません。
    あわせて、同業他社が何と書いているかは集められます。「品質に自信」「お客様第一」——同じことを言っていないか、ここで分かります。
  5. 言っていることを、全部そろえるいちばん費用対効果が高いのは、ここです。いま使っているもの——サイト、営業資料、名刺、見積書、電話での言い方——すべてで同じことを言うようにするだけ。
    新しく作らなくても、これだけで変わります。
  6. その言葉を、形にするここでようやくデザインです。順番を逆にしないでください。「見た目を変えても、思うような結果につながらなかった」——中小企業庁の事例集にも、そう書かれています。
    コピー、ロゴ、配色、書体。AIが案を出します。何十通りでも出るので、並べて選べます。気に入らなければ、条件を変えてもう一度出させるだけです。
  7. 社員が、自分の言葉で話せるようにするここを飛ばすと、外向けだけ立派になって中身が伴いません。現場が言えないことは、相手にも届きません。
    社内向けの冊子は、決めた言葉と社内の話からAIが下書きします。外向けのものをそのまま配っても、行動は変わりません。迷ったときに立ち返れる形にします。
  8. お客さんの声で、確かめる決めた言葉が、実際に選ばれている理由と合っているか。
    あらためて聞き取りに回るのではありません。納品後のアンケート、普段の電話でのやり取り——お客様満足の確認として、もともとやっていることの中で出てきます。
    その声をAIに整理させて、ずれていたら言葉のほうを直します。
④ 12か月の進み方
時期やることこの時点で見えるもの
1〜3か月
土台をつくる
社内にあるものの掘り起こし。誰に向けるかを決める。一つの言葉に決める。名刺やロゴなど基本のものを整える社内で、同じ言葉が使われはじめる
4〜6か月
出しはじめる
サイトの手直し。営業資料をそろえる。発信を始める。社内への共有社内の手応えが出てくる時期です(3〜6か月)
7〜9か月
行き渡らせる
出す量を増やす。お客さんとの接点の質を上げる。社内向けの冊子と研修現場が自分の言葉で話しはじめる
10〜12か月
確かめて、直す
数字を見る。お客さんの声と突き合わせる。次の1年を決める外からの反応が出るのは1〜2年目です

3か月でやめないでください。そこまでは方向が決まるだけです。外から見て分かる変化が出るのは、1年から2年かかります。

⑤ 工程ごとに、AIが何をするか
工程AIがやること人がやること
掘り起こす社訓・過去の資料・社長や現場の話から、繰り返し出てくるものを拾い出す思い出して、話す
言葉を決める候補をいくつも並べる。同業と重なっていないかを調べるどれで通すかを決める
ずれを見るいま出しているものを読んで「どう読めるか」を言う直すかどうかを決める
そろえるサイト・営業資料・名刺・見積書を読んで、言っていることのずれを一覧にする直す
形にするコピー、ロゴ、配色、書体の案を何十通りも出す選ぶ
社内へ広げる社内向けの冊子の下書き。説明のときに使う言い方も出す話して、伝える
確かめるお客さんの声を整理して、決めた言葉と合っているかを突き合わせる聞く
続ける週に一度、写真とメモから文面をまとめて作る。毎月の数字を並べる出すかどうかを決める

どれも、やってみて違えばやり直せます。案を出すのも、読み直すのも、費用はかかりません。試せる回数が増えたことが、いちばん大きな違いです。

⑥ こうすると、うまくいきません
  • 商品や採用から手をつける — 会社そのものが決まっていないと、その上には何も乗りません
  • 見た目だけ変える — 「変えても結果につながらなかった」という記録が残っています
  • いまどう見えているかから始める — 先に決めるのは「どう見られたいか」です
  • 最初にお客さんへ聞きに回る — まず自社で決めます。声は、決めたあとに確かめるために使います
  • 同業の真似をする — 同じことを言った時点で、選ぶ理由がなくなります
  • 相手を広げすぎる — 誰にでも当てはまる言葉は、誰にも届きません
  • 3か月でやめる — そこまでは方向が決まるだけです
  • 社員に伝えないまま進める — 現場が言えないことは、相手にも届きません
  • 発信が止まる — 途切れると、それまでの分も忘れられます
⑦ できあがるもの / ブランディング一式
  • 社内にすでにあったもの(社訓・決めごと・現場の当たり前)
  • どう見られたいか(一つの言葉に)
  • いま出しているものとの、ずれの一覧
  • コピー、ロゴ、配色、書体の案
  • 接点ごとの直しどころ(サイト・パンフ・名刺・見積書・話し方)
  • 社員向けの冊子(自分の言葉で話せるように)
  • 毎月の数字の記録
⑧ こんな会社に向いています
  • 値段のほかに、選ばれる理由を説明できない
  • 「品質に自信があります」と書いているが、同業も同じことを書いている
  • 社訓はあるが、社員が言えない
  • 会社の良さが、社長の頭の中にしかない
  • 名刺・パンフレット・サイトで、雰囲気がバラバラ
⑨ 同じことは、業種を越えて起きています
業種同じ構造で起きていること
製造業(下請け中心)技術力はあるが、発注側にしか知られていない
士業・コンサル何ができる事務所なのかが、紹介以外で伝わらない
工務店・リフォーム業施工の丁寧さが、写真も言葉も残っていないため伝わらない

たとえば、建設会社(栃杜建設)の場合——工場・倉庫・事務所・店舗・医療福祉まで対応しているのに、ホームページではそれが伝わらない。「相談しやすい会社」のはずが、写真中心のサイトでは硬く見えてしまう。
採用にも使いたいが、応募者が「この会社で何をするか」を思い描けない——これが実際の相談内容でした。

⑩ たとえば、建設会社の場合(サンプル)
社長:「うちは仕事は間違いなくいい。ただ、それが外から見て分からない。ホームページは10年前のまま」。現場:「写真は毎日撮ってる。撮ってはいるけど、スマホに溜まってるだけ」。求人を出しても人が集まらず、若い応募はほとんど来ない。
⑪ サンプル / できあがったもの
項目内容
LP全10セクション + 施工実績サブページ1
ムービー60秒 会社紹介ムービー(Remotion+Fish Audio TTS)
手描き風イラスト24点(GPT Image 2・4〜5頭身・フラットカラー)
AI生成実写13点(施工実績・建物の質感)
レスポンシブDesktop / Tablet / Mobile / Small の4段階 + reduced-motion対応
KEY POINT

会社そのものから始めます。商品や採用は、その上に乗るものです。
いちばん費用がかからず、いちばん効くのは、いま使っているもの全部で同じことを言うようにすることです。作り直さなくても、そろえるだけで変わります。材料は、たいていもう社内にあります。
掘り起こす、並べる、読み直す、そろえる、案を出す、確かめる——どれもAIで試せます。やってみて違えば、やり直せばいい。
3か月では方向が決まるだけ、社内の手応えが3〜6か月、外から見て分かるのは1〜2年目です。

実物を見る

この領域で実際に作ったものです。すべてサンプルで、会社名・人物・数値は架空のものです。別のウィンドウで開きます。

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ここに書いたやり方が自社に当てはまるか、一緒に確かめるところから始められます。
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