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経営者向け

経費のことを何度も聞かれる。規程を1つ入れれば、答える窓口が作れます。

出張の日当は、タクシーの理由は。同じ質問が総務に何度も来ます。ChatGPTのプロジェクトに社内規程を入れて、根拠の条文つきで答える窓口を作る手順です。

HEADs AI の AKI です。

出張の日当はいくらか。タクシー代は落ちるのか。あの工具は誰の承認がいるのか。総務や経理には、同じ質問が何度も来ます。

規程には書いてあります。それでも聞かれます。探すより聞いたほうが早いからです。

規程を1回読ませておけば、あとは質問するだけで答えが返ります。ChatGPTの「プロジェクト」で作りました。手順を全部書きます。

作るのは、プロジェクトを1つだけです

プロジェクトは、ファイルと指示をまとめて置いておける入れ物です。無料版でも使えます。

入れるのは2つだけです。

作り方はこうです。

1. サイドバーの「プロジェクト」にカーソルを載せると「+」が出ます。押して、名前を付けて作ります。名前は「経費の問い合わせ」など、社員が見て分かるもので構いません。

ChatGPTのサイドバー。「プロジェクト」という見出しの右側に「+」が表示されており、その下に作成したプロジェクト「経費の問い合わせ」が並んでいる。ほかのプロジェクト名とピン留めの項目はぼかしてある。
「プロジェクト」の右に出る「+」から作る。

2. 「情報源」タブで、規程のファイルを入れます。PDFやWordのままで入ります。このタブはプロジェクトのトップ画面にだけあります。チャットを開いていると出てきません。

ChatGPTのプロジェクト「経費の問い合わせ」の画面。入力欄の下に「チャット」「情報源」のタブが並び、「情報源」が選ばれている。「情報源を追加する」の下に、読ませた「経費精算・出張旅費規程.txt」が1つだけ入っている。
入れたのは規程1つだけ。ここに置いたものが、答えの根拠になる。

3. 右上の「…」→「プロジェクト設定」に「指示」の欄があります。ここに答え方のルールを書いて保存します。

ChatGPTの「プロジェクト設定」画面。プロジェクト名は「経費の問い合わせ」。「指示」欄に、規程だけを根拠にすること、根拠の条文を添えること、規程にないことは書かないこと、確定できない場合は質問として返すこと、金額が大きい場合などは総務経理部か所属長への確認を案内することの4項目が書かれている。
「指示」に書いたことは、このプロジェクトの中だけに効く。

指示に書いたのは、この4つです。

このプロジェクトでは、社員からの経費に関する問い合わせに答えてください。情報源に入っている経費精算・出張旅費規程だけを根拠にしてください。

1. 回答には必ず根拠(規程の第何条か)を添えてください。
2. 規程に書かれていないことは書かないでください。推測で埋めないでください。
3. 規程だけでは金額や結論を確定できない場合は、答えを作らずに、何が分かれば答えられるかを質問として返してください。
4. 判断に迷う場合、例外の扱いが必要な場合、金額が大きい場合は、規程で分かる範囲を答えたうえで「この件は総務経理部(または所属長)に確認してください」と案内してください。当たらない場合は、案内を付けないでください。

ここまでで、窓口はできあがりです。あとは、このプロジェクトの中で質問するだけです。

質問すると、根拠の条文つきで返ります

架空の会社(社員58名の部品メーカー)の規程で試しました。

「製造部の山本です。35000円の工具を買いたい場合は誰の承認が必要ですか?」

35,000円の工具は、30,000円以上の備品購入に該当するため、購入前に総務経理部への確認が必要です。

規程上、30,000円以上について「所属長の承認も必要」とは明記されていません。

根拠:経費精算・出張旅費規程 第8条(備品購入)
「30,000円以上の場合は、事前に総務経理部への確認が必要です。」

ChatGPTのプロジェクト「経費の問い合わせ」の画面。社員からの「35000円の工具を買いたい場合は誰の承認が必要ですか?」という質問に対し、「35,000円の工具は、30,000円以上の備品購入に該当するため、購入前に総務経理部への確認が必要です」と回答し、「規程上、30,000円以上について『所属長の承認も必要』とは明記されていません」と続けている。その下に根拠として「経費精算・出張旅費規程 第8条(備品購入)」と条文の引用、参照した情報源のファイル名が表示されている。
実際の画面。根拠の条文と、参照した規程のファイル名が回答の下に出る。

最後の一文が大事です。

質問は「誰の承認が必要か」でした。けれど規程は「確認が必要」としか書いていません。言葉を合わせずに、書かれていないと断っています。

回答の下には、根拠にした規程のファイル名も出ます。聞いた本人が、その場で条文を開いて確かめられます。

規程で決まらないものは、聞き返してきます

「営業部の田中です。出張で大阪に行く場合の日当はいくらですか?」

出張日当は片道100km以上の業務出張が対象で、役職によって金額が異なります(第4条)。

大阪出張の日当を確定するため、次の2点を教えてください。

田中さんの役職(一般社員/主任・係長/課長以上)
出張の出発地(片道100km以上か確認するため)

日当は役職で変わり、片道100km以上が条件です。質問にどちらも書かれていないので、金額が決まりません。

ここで金額を1つ選んで返されると、聞いた本人はそれを信じます。そうさせないために、指示の3つ目を書いています。

答えられなかった質問が、規程の直しどころです

この仕組みのいちばんの利点は、答えられなかった質問が残ることです。

プロジェクトの中のやりとりは、そこに全部たまります。月に一度開いて、こういうものを拾ってください。

これは、規程の穴の一覧です。これまで総務の頭の中にしかなかったものが、形になって出てきます。

拾ったら、規程のほうを直します。直したら、情報源のファイルを新しいものに差し替えます。差し替えを忘れると、古い答えが根拠つきで返り続けます。誰がやるかを決めておいてください。

答えられるかどうかは、規程の書き方で決まります

上の回答が出たのは、規程がこう書かれているからです。

第8条 備品購入
業務に必要な備品購入は、1件あたり30,000円未満であれば所属長承認で購入できます。30,000円以上の場合は、事前に総務経理部への確認が必要です。

いくらから誰に話を通すのかが書いてあります。だから答えが出ます。

これが「必要に応じて上長に確認すること」だけなら、AIもそう答えます。規程に無いことは答えられません。

ですから、最初に選ぶ規程は条件と金額が書いてあるものにしてください。経費精算が始めやすいのは、数字で決まっていることが多いからです。

なお、AIに入れてよい情報は、会社の基準に従ってください。

社内に配るときは

ここまでは、自分の手元に1つ作る話です。使ってみて役に立ちそうなら、社員にも使ってもらえます。

そのときはChatGPTのBusinessプランが要ります。Businessでは「GPT」という形で作って、社内に配れます。中身は同じで、規程を入れて、答え方を書くだけです。

会話は、使った本人のものになります。作った人にも、ほかの社員にも見えません。誰が何を聞いたかを気にせずに使えます。

料金は1ユーザーあたり月3,050円(2名以上・年額でのお支払い。月ごとなら3,850円)。入れた業務データは、既定では学習に使われません。(2026年8月時点)

いま作ったプロジェクトも、そのまま共有できます。ただし共有すると、中のやりとりが相手にも見えます。

ここは分かれます。見えて構わないなら、プロジェクトの共有で足ります。総務の中だけ、同じ部署の数人だけ、といった使い方ならそのほうが早いです。質問を互いに見せたくないなら、BusinessのGPTにしてください。

まとめ

  1. プロジェクトを1つ作り、規程を情報源に入れ、指示に答え方を書く。ここまでが準備
  2. 根拠の条文を付けさせる。聞いた本人が、その場で確かめられる
  3. 規程で決まらないときは、聞き返させる
  4. 答えられなかった質問を、月に一度拾う。それが規程の直しどころになる
  5. 直したら、情報源のファイルを差し替える。担当を決めておく
  6. 社員にも使ってもらうならBusinessプラン。会話は本人だけのものになる

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頼み方に書いておくことは、ほかにもあります。請求書の入力をAIに任せた記事に、4つまとめてあります。

Excelを見ながらシステムに打ち込む。あの作業は、AIに任せられます。

こうした使い方を担当者ひとりに留めず、社内で配れる形にする方法をまとめています。

AI活用の共有|AIの使い方を、社内で配れる形にする。

— AKI(HEADs AIチーム)
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